『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は子どもと見られるか?
nintendo switchの『FORTNITE』に耽溺している息子氏(小4)といっしょにみるための映画を事前に下調べしています。見てみたらエロと暴力が満載とか、気まずいじゃないですか。レーティングはほとんどあてになんないし。
で、今回は…
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年)です。
いい動画がなかったんですが、FORTNITEにはハーレイクインのスキンがありまして、息子氏もキャラ自体は知っているようなので、興味は持ちやすいはず。
レーティングはPG12なんですけどね。いけるか…?
あらすじは、悪徳の街ゴッサムシティで恋人の犯罪王子・ジョーカーの後ろ盾のもと、やりたい放題やってたハーレイ・クインが、ある日ジョーカーにふられたことから、街のならずものたちから報復を受けることに…、みたいなところからはじまって、わかりやすいダイヤの争奪戦が繰り広げられます。
シスターフッドやで!
見ました。
いやあ…たいへん学びの多い映画でありました。
子どもには「ぜひとも見せたい!」という興奮とはうらはらに、ちょっとエグすぎて見せたくないシーンもいくつかあって、胸中せめぎあっています。
この映画はいわゆる「シスターフッド」ものというやつで、女性同士の連帯による解放を描いているようです。ハーレイ・クインをはじめ、女性の登場人物たちはみな様々な形で男性に酷い目にあっていて、力を合わせてその男たちと戦い、それぞれの自由を手に入れていきます。女性キャラはみなかっこよく、ガッツがあって、ケンカも強い。日本では見なれないタイプのキャラ造形です。日本だと、どうしても女性キャラに「かわいさ」が求められがちですが、この映画の女性キャラは「かわいい」より「かっこいい」にパラメータをふってて、これは見ててフレッシュな感じがしました。しかも、映画だとあまり描かれない女性の「かっこわるさ」のようなものまで描いて笑わせにくるのはすごいな、と。時代は確実に前進しています。
けれども、この女性像がウケるのか/受けないのかと問われれば、いまの日本ではなかなか厳しそうな雰囲気です。
ただ、子どもの摂取しているマンガやアニメの女性キャラを見ていると、私的には古色蒼然としたキャラメイクにもやもやすることが結構あるんですよね。そのキャラのビジュアルこそ令和にアップデートされているものの、マインドは昭和の世界観を温存しているような感じがして…。「女なのに、実は料理が下手!?」なのがウィークポイントの女性キャラをいったい何人見たことか(まわりの男性キャラが全員そういう認識なのにもゾゾッとするのですよね)。
私としてはもうちょっと自由な感じが好みなので、ハーレイ・クインのピーキーな女性キャラには好感を持つし、子どもにもおすすめしたいと思いました。いいじゃん、いろんなのがいて。
ヤベー男の描写がヤベー
なのですが、YAVAYポイントがひとつありまして…。
「シスターフッド」ものはお決まりのパターンとして「男のヤバさ」が必ず描かれるので、男としては見てて毎回胸が痛いのですが、今回のブラックマスクがまあヤバくてですね…。男性のもつある種のヤバみを見事に凝縮しておるのですよね。その味付けがちょっと濃すぎるのですよ。
11分の拷問で顔の皮をはぐシーンはグロすぎてもちろん子供には完全にNGなんですが、それよりも65分あたりのシーンで、全体にモザイクかけたいくらいイヤーな描写がきます。
計画を出し抜かれて狼狽したブラックマスクは、近くで談笑していた女性客の笑い声がまるで自分を嘲笑しているように聞こえて(もちろん錯覚)、激昂。女性客をテーブルの上に立たせると、「服を脱げ!!」と、虐待しはじめるんですが、まわりの人間はブラックマスクが怖くて何も言えません…。女性を助ける者は誰もいないし、ブラックマスクをいさめようとする者もいない、それどころかオロオロとブラックマスクの虐待に加担しはじめ、それを見ていたある人は黙って泣いてて…。
いやあ、なんかすげえ嫌なもの見たって感じがしました。ブラックマスクって実は自信がなくメンタルが不安定で、暴力しか解決方法を持ってない「弱い」男なんですよね、たぶん。でも暴力が圧倒的なのでまわりは何も言えない…っていうこの空気、うーん、人生で何回か吸ったことがありますよこのフレーバー!ヤバい上司とか、ヤバい取引先とか、トラウマが息を吹き返しそうになりますよね。
私が学生だった頃は、先生がまだ余裕で生徒にパンチとかしてたんですけど、朝の会でみんなが歌っている中、宿題を忘れた生徒に、先生がエアリアルコンボみたいなのをたたき込んでたときのことを思い出しました。さわやかな輪唱のなかで行われた暴力の光景は、いまだに頭に焼き付いています。そのとき、怖くて誰も歌うのをやめなかったんですよね。のちに黒澤明の『野良犬』という映画を見たとき、決闘シーンでこのときことを思い出しましたよ。「あれと同じだ!」って…。
それはさておき。ここシーンに関しては、まだ小学生には厳しいかな、というのが実感です。こういうシーンこそ、大人にならないとわからないシーンかもしれません。
まとめ
全体としてはアクションが派手でかっこよく、ストーリーはやや複雑であるものの(時間があちこち跳ぶ)、型破りな女性キャラもみなとても魅力的で、子どもと見る価値のある映画だと思いました。こういうキャラを受け入れられるキャパを持ってほしいですけどね。
ただし、顔剥ぎシーンと虐待シーンはスキップします。
<メモ>
(3:10)ハイエナが人間の脚の肉を食ってる…。
(4:10)ハーレイが、男の股間に飛び乗る。いたそう。
(6:10)バッグにゲロを吐く。
(9:50)ボウガンで殺害されるシーン。刺さってる。
(11:10)★ブラックマスクが、逆さづりで拷問するシーン。顔の皮を剥ぐ。剥いだ皮が映る。うーん。残酷すぎる。ヤバい奴だということはよくわかった。
※12:30くらいまで飛ばせばなんとかなる
(30:21) 誘拐されそうになるところ、妙にリアリティあって怖い。
(37:12) 干し首が出てくる。一瞬だけど、まあグロい。
(51:23) 銃撃戦の流れ弾でドラッグが飛散し、それを吸ったハーレイがラリる描写あり。でもそっからの殺陣がめちゃくちゃかっこいい。
(1:5:20)★笑ってた女の客を机に立たせて服を脱がせて虐待するシーン、ちょっとマズい。スキップ推奨。
(1:36:45) ブラックマスクが手榴弾でバラバラになる。あっけない。
『スピード』は子どもと見られるのか?
キアヌ・リーブス作品ということで…
いちおうこのブログは、『FORTNITE』が大好きな小学生の息子に、おすすめできる映画を探すという趣旨でやってるので、今回は、
『FORTNITE』にスキンも出ている、
にしようと、思ったんですが、初めて見せるキアヌが『ジョン・ウィック』なのは間違っているんじゃないか、という不安が胸をよぎりました。いくら人気シリーズとはいえ、『ランボー』未見で『エクスペンダブルズ』とかないじゃないですか。『ダイ・ハード』未見で『16ブロック』とか。
というわけで、子どもの「ファースト・キアヌ・リーブス映画」として私が選んだのは、
1994年、ヤン・デ・ボン監督『スピード』です。ええ、ベタですよ。なにか問題でも?
炸裂する90年代テイスト
結論から言うと、『スピード』は子どもと見るにはとっても「困る」作品でした。「困る」というのは見るか見ないかの判断がすごく悩ましい、という意味で「困る」。
なんでかというと、映画自体はめちゃくちゃ面白いんです。アクションにつぐアクションで、ダレ場がいっさいなく、ストーリーもはっきりしてて子どもが途中で飽きる心配もない。むしろ絶対楽しめる。差別的な価値観とかもほとんどないです。
…なんですが、なんか、肝心なところで子供に説明するのがめんどくさい下ネタが入ってくるんですよね。「がまんできずに出しちまったのさ」とか。もっとあけすけに「さーて、帰ってセックスするか」とか。でまた、サンドラ・ブロックの最後のセリフがまあ、大人っぽい一言でですね…。こういうセリフ要る?って思ってしまうんですが、90年代ってこういうノリだったんですよね。下品なこととか、相手がちょっと引くようなことを唐突に言うのがかっこいい、みたいなね。こういうのがねえ、要所にきちっきちっと入ってくるのがねえ、悩ましいんですよね…。だって、気まずいじゃないですか。子供のころ、テレビでいきなり濃厚なラブシーンが始まって、家族の食卓が凍りつくことがありましたけど、あの体験から得られたものって特になにもないので、むざむざおなじ轍をふむこともなかろう、と思うのですよね。
でも作品は最高!
作品が面白くなければなにも悩まないんですが、作品自体は文句なしに最高です。意外と忘れがちですが、キアヌはフルタイムでバスに乗車してるわけではなく、序盤はビル、中盤がバス、終盤が地下鉄が舞台で、『ダイ・ハード』シリーズを圧縮したような豪華な構成になってます。また、いまほどCGが発達してないので「生身の人間が危ないことしてるのを安全な場所でハラハラしながら見守る」という、純粋なアクション映画の楽しみ方ができるのもいいところです。アクション映画でよくある「Aするか?Bするか?さあどっちをえらぶ?」みたいな二択でハラハラさせる展開が多く、子どもが好きなやつですよね、これ。
劇中、若々しいキアヌがやたら走るんですが、走ってるだけですげえかっこいです。
キアヌかバスが走って、展開が盛り上がってくると、「例の」テーマソングがしつこいくらい流れます。何度も何度も。でも…
これが懐かしすぎる!
(※0:52あたり)
たしか、PRIDEの桜庭和志の入場曲はこれの小室哲哉リミックスだったな、とかプレイステーション1で出ていた『メタルギアソリッド』にそっくりの曲があったな、とか、40代おじさんの遠い青春時代がありありとよみがえります。
公開当時、これはデートで見に行く映画っていう感じで、田舎の高校生たちは『スピード』を見に行くという口実で、女の子を誘っていましたね。そしてG‐SHOCKを買っていましたよね。デカいやつを。なぜかみな、外履きにバッシュ(ハイカット)を履いていたあの時代です。このあと就職氷河期が待ってるとか、思いもしませんでしたよね!みんな元気かな!
さておき。『スピード』は、『踊る!大走査線』をはじめ、後の映画やゲームに大きな影響を与えた偉大な90年代映画の傑作です。間違いない。ただ、高校生くらいがデートで見る映画で、小学生にはまだ早いかな、という感じでした。
以下、メモです。ここにリストアップされたシーンを子供のとなりで見ていて動じることのない鋼の心をおもちのあなたなら、『スピード』は最良の映画となることでしょう!
〈メモ〉
(4:15)犯人にこめかみをドライバー?で突かれて殺される警備員。最初のかまし。残酷。あと、エレベーターから救出されるシーンでなぜかパンチラ…。
(17:53)「我慢できずに出したのさ」とか、「早漏」とかのジョーク。あと、ずっと「ファック」って言ってる。まじでずっと言ってる。
(26:30)バーで、いきなり「帰ってセックスでもするか」と言い出す。まあここのバーのシーンはとばしてもいいかも…。
(59:20)勝手にバスを降りようとした老婆が爆殺される。なにがどうなったのかくわしくはわからない。見てて「まあおまえはしょうがねえな」って思ってしまった自分にびっくりした。
(78:34)ピンチから生還したキアヌに乗客の一人が言う。「あんた馬鹿だが、あんたぶら下げてるタマはデカいや」。ほんとにアメリカ映画は「タマ」が好き。
(110:00)ラストシーン。キ「異常なな状況で結びついたカップルは長続きしない」サ「それじゃ、セックスで結ばれましょ」キスして終わる。…ええっ?あっけにとられているとハードロックがかかってすべてが無化される。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は子どもと見られるのか?
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は子どもと見られる?
今回選んだ作品は…
2017年の大ヒット作。マーベルユニバースもののひとつでもありますね。
5月にはシリーズ3本目となる新作が公開予定です。
例によってうちの子どもが耽溺しているFORTNITEでは、主人公のスターロードがこんな感じのスキンで登場してます。あとガモーラもいるみたいです。子どもは興味をもってくれるのか…?
ストーリーは、破滅的なパワーを秘めたオーブをめぐる争奪戦に巻き込まれた主人公ピーターが、お尋ね者ばかりのチームを結成して宇宙を救う…という感じになっております。レーティングはマーベルにはめずらしい「G」。全年齢対象!(これがまったくあてにならないわけですが)
海外のサイトで好評の理由
この作品は、海外の子供向けのおすすめ映画のサイトでかなり好評だったので選んでみました。個性的なキャラクターと作品のテーマが評価されているようです。ただし、言葉づかいや暴力表現については意見が分かれてますね。
で、実際自分が見てみた感じは、
……かなり子どもと楽しめそう!と思いました。
まず画面がめちゃくちゃカラフルできれいなんですよね。みとれてしまいます。
それに、派手なアクションとジョークが最後までずっと途切れないので、飽きずにあっというまに見終わってしまいました。すげえ。
子どもと見るうえで、多少補足(主人公が拉致られたあと、ヨンドゥに育てられてたこととか。シーンが省略されて時間がとぶので)はいるかもですが、おおまかにはオーブのとりあいなので、ストーリーはシンプルです。「宝物をとりあってってる」ってことさえわかれば、全然楽しめるでしょう。
ギャグのテイストが、意外とおしゃれというか、ドタバタで感覚的に笑わせる感じではなくて、ちょっと気が利いた感じのが多いので、「なんでこれが笑えるのか?」うまいことサジェストできたら子どもも笑えるのかな?刑務所で脱獄の案を練っている3人の向こうで、グルートがすでにその案を実行してしまっているシーンとか、大人なら状況のおかしさがわかるんですけどね。あと、ドラックスが比喩を言葉通りにうけとってしまうおかしさとかもそうか。
意見は分かれると思いますが、私はこの作品の人間観が大好きでした。主人公たちは品行方正なヒーローというよりは、非力なならずものたち。なりゆきで一緒に行動することになったものの、みな自分勝手で仲間意識は皆無です。でも、気づかないうちにお互いに影響を与えあって成長していきます。そして、命がけで仲間をすくおうとするまでになっていくのです。熱いです。こういう感じの仲間って好きなんですよね。
ただし問題がないことはなく…
この作品でよく取りざたされるのが言葉づかいで、その半分以上がロケットの発言なんですが(笑)、吹き替えで日本語に翻訳されるとかなりマイルドになっていて、それほど気にならなかったですね。これは吹き替えのいいところです。
同様に、スターロードが自分の宇宙船の中をブラックライトで光るようにしているというのも、プレイボーイのスターロードのキャラをあらわすギャグなんですが、一回目みたときはどういう意味かよくわからなくてスルーしてました。そもそも私にはガモーラが終始ナメック星人にしかみえず、いくらロマンス的な要素をにおわされても、そう受け取れなかった、という個人的な事情もありますが…。ほとんどの人が気にならないんじゃないか。
反対に意外ときついな、と思ったのは、実は冒頭のシーンで、いきなり主人公の母親がガンでなくなりところです。最後に母親の手を握れなかったというのが、のちに伏線として生きてくる大切なシーンなんですが、子どもにとってはショックが大きいかも…。親が死ぬって、子ども的にはなにより怖いことだと思うので。
そのあとの踊りながらおもいっきり小動物を蹴とばすところも、まあ、ね。笑ったけど。
家族より大事なもの
ロケットの「家族なんてたいしたことねえ。なくしたのはおまえだけじゃねえ」というセリフからもわかるように、この映画のおおきなテーマに「家族」があると思います。主人公たちは、それぞれ家族を「なくしている」んですよね。呪縛ともいえるそれぞれの「家族」をふりはらって、自分の手であたらしい「家族」を作っていく話に私には見えました。「家族なんてたいしたことねえ」っていうのは、ある種の人間にとってはすごく救いになる言葉ですよね。自分が息子から言われたら泣くけど。
以下、気になったシーンのメモです。
<メモ>
- (2:45)いきなり末期がんの母親が死ぬ。
- (14:16)悪役のロナンがハンマーで処刑するシーン。血が溝をながれていく。まあ、隠せてる?
- (26:40)グルートが囚人の鼻に指を突っ込んでつるし上げるシーン。痛そう。
- (38:37)スターロードがアスカバリア星人と寝たことに、ドラックスが執拗に絡む
- (1:22:49)いきなり「俺はタマナシ野郎じゃない」ってセリフがくる。
以上。これはさっそく子どもと見てみまーす!
『プレデター』は子どもと見られるのか?
今回ダメもとでチョイスしたのは
『プレデター』です…。
いちおう『FORTNITE』にはプレデタースキンがあるので、うちの子もプレデターのキャラクターは知っています。ただ、例によって映画は見たことがないので、面白そうなら親子で見てみたいな、と……。
まあ、はなから結果は見えてるわけですが。
大穴を狙いたい気持ちが抑えられませんでした。信じられないかもしれませんが、レーティングはまさかの「G」で「全年齢対象」であります。これが??あらすじでもうすでに「ジャングルの奥地に入り込んだ彼らは、皮膚を剝がされて木に逆さづりにされた米軍兵士たちの死体を発見」って書いてありますけど大丈夫みたいです!相変わらずレーティングはあてになりません。
話の筋は、ジャングルに要人救出に向かった米軍特殊部隊が、光学迷彩に姿を隠した異星人プレデターに次々と襲われる。もっと簡潔に言えば、「森でシュワルツェネッガーがプレデターと戦う」で、完璧に言い尽くせるバカな…いえ、普遍性の高い内容です。
で、見始めたんですが…
みなぎるマッチョ感!画面を覆いつくす筋肉!
とにかくマッチョ!
とにかく全編マッチョな映画でした!
筋肉!武器!たばこ!酒!たたかい!
久しぶりに会った男同士は、まず腕相撲!
ジョークは100%下ネタのみ!
すがすがしいまでにマッチョが横溢する世界観に、開始10分で子どもと見るのは断念しました。そのあとプレデターが出てきてからは、隊員がきっちり順番に殺されていくんですけど、皮剥がれたり、体を切断さたり、脊髄を引っこ抜かれたりと、散々な残虐シーンが続くので、まあ、100%小学生と親子で楽しくみられる作品じゃなかったですね。すみません。選球眼がゴミでした。全年齢対象ですが、個人的には高校生くらいだったら楽しめるのかな?と思いました。文化の異なるハンターとしてのプレデターについてとか、ベトナム戦争との類似点とか、ネタとして子どもと語れそうなポイントはあったのですが、残念。
未視聴ですが、去年話題になってた新作の『プレデター:ザ・プレイ』だったらいけたのか…。
あの頃の筋肉映画たち
とはいえ、40代の父的には『プレデター』は懐かしさの塊のような一本でした。
現代の視点から見れば、シュワルツェネッガーのもこもこして動きづらそう筋肉は、とても実戦で役に立つものとは思えないんだけど(なんかすぐ疲れそう…)、中学生くらいのころだったか、この映画をみたとき、男子はもれなくこの筋肉にあこがれたんですよね…。「強い男」の見本みたいな感じで…。
ゲームとか、マンガとかの主人公も、だいたいこのもこもこしたかたちの筋肉をまとっていることが多くて、男子の間には「強さ=筋量」っていう明確な共通認識がはびこってたなぁ。で、このもこもこの筋肉を身にまとった主人公が、ぶっきらぼうなことを言ったり、破滅的な考えに取りつかれたりしてるのが、なんかかっこよく見えたんですよねえ、当時。
もちろん大人になった今でもそのかっこよさは理解はできるけれど、もはや憧れはしないのは、時代の流れなのか、寄る年波のせいなのか…。
この、青年期の筋肉至上主義とマチズモの感じは、いつかちゃんと考えてみたいです。
全編ヤバいのでもはやなんの意味もなさないですが、以下、気になったシーンのメモです。
<メモ>※ネタばれあり
- (1:41)男二人が再開すると、自然と始まる腕相撲。ザッツ男社会
- (8:20)強い男のジョークはもちろん下ネタ。輸送ヘリ内の会話はほとんどアウトめ
- (16:00)おまちかね!皮をむかれて吊された血まみれの死体を発見。もうだめ。
- (32:41)メガネがまた下ネタジョーク。「あそこがデカい。あそこがデカい」
- (42:11)ホーキンズ隊員殺される。体が部分的になくなってる?こえぇ…。
- (46:22)死体の上半身が木に吊されている…
- (1:13)腕がもげた。
- (1:22)脊髄ごと引っこ抜くグロシーンがいきなり挟まれる。
最後は「男同士」のタイマン。最後までマッチョをみなぎらせて終わる。
父が見る『スパイダーマン:ホームカミング』
スパイダーマンが多すぎる問題
今回は、スパイダーマンにチャレンジすることにしました。
『FORTNITE』において、スパイダーマン系のスキンはもはや定番。小学生にはかなりなじみのあるキャラですが、どんな話なのかは誰も知らない…というのが小学生のリアルな現状。なので、これを機にムームー(息子・小3)とスパイダーマンを初体験しようじゃないか!と盛り上がったんですが、調べてみたらさ…
『スパイダーマン』(2002)
『スパイダーマン2』(2004)
『スパイダーマン3』(2007)
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)※アニメ
スパイダーマン、作品多すぎ!うすうす知ってはいたけど、2000年以降だけでこんなに作られてるんですね。
うーん。劇場で見たアニメの『スパイダーバース』が、映像も音楽も最高にかっこよくて、かつハードな描写もないのでおすすめしたいんだけど、別世界のスパイダーマンたちが集まるっていう展開は、小学生が最初に見る「ファーストスパイダーマン」としてはちょっと難易度高めだよね。
というわけで、マーベルユニバースの入り口という意味でも、これに決めました。
記念すべき「マーベル」スパイダーマンの第一作ですね。
イケてない高校生のピーター・パーカー(スパイダーマン)が、アベンジャーズに入れてもらうため、街に現れた有翼のヴィラン、ヴァルチャーと戦う…というのがざっくりしたあらすじ。
注意点として、本作『ホームカミング』は、マーベルのヒーローが集結する集大成的な作品『アベンジャーズ』から話が続いています。なので、アイアンマンやアベンジャーズとの出会いのシーンは描かれず、いくらかマーベル映画の予備知識が必要ではあります。とはいえ、「大きな戦いがあって、アイアンマン率いるスーパーヒーロー軍団アベンジャーズが強敵を倒した」「スパイダーマンはまだアベンジャーズ入りを認められてない」くらいの説明があれば、子どもも理解できると思います。
ライトで今風な感覚のスパイダーマン
内容的には、今風に正しくアップデートされた「スパイダーマン」でした。まずスパイダーウェブを使ったアクションが最高に楽しい!
そして、主人公のピーター・パーカーはいままでの全ピーター・パーカー中、もっともユーモラスなピーター・パーカに仕上がっていて、いちいち笑わせてくれます。これは意外でした。
スパイダーマンって、「自分の過失で伯父さんを死なせてしまう」っていうシークエンスが必ず入るので、どうしても話が陰鬱なムードになるんですよね(それがスパイダーマンという話の味でもあるんだけど)。『ホームカミング』では、伯父さんの死は一瞬語られるだけで詳細は語られません。それどころか、主人公がクモにかまれて能力が発現するシークエンスも端折られています。でも、それが主人公の高校生活をいきいきと見せる要因になっていて、これはこれで正しいアップデートだと思いながら見ました。ピーター・パーカーの行動パターンがほぼのび太なのも、「これは見やすいぞ!」と、安心できる感じでした。
そのギャグは面白いのか?
レーティングはR13。マーベル系映画は暴力的という理由で軒並みレーティングは厳しめについていますが、個人的には、パンチやキックの肉弾戦がほとんで、激しい流血表現もほぼないので、大丈夫かなと。
いちばん気になったのは、30分過ぎにピーターがクラスメイトのホームパーティに行ったときに、陽キャっぽいグループから、「ペニス・パーカー!ペニス・パーカー!」とはやされるところなんですけど、「ピーター・パーカー」を「ペニス・パーカー」に言い換えるのって、悪口としても工夫がなさすぎて驚きました。英語圏でしかわからない深い意味があるのかと思って、英語でセリフも確認しましたが、そのまま「ペニス・パーカー」と連呼してるだけでした。しょうもないことを絶叫してる過剰なエネルギーが面白いんですかね?たまにあるんですよね、アメリカ映画のギャグで、どういう態度でを受け取ったらいいのかよくわからないやつ…。これはどうやって説明しようかなあ…。
小学生と観られるか?
全体としては、小学生と見るのにおすすめできる一本ではないでしょうか。
悪役のヴァルチャーにもそうせざるを得なかったバックグラウンドがあり、トニー・スタークも正義の側にいながらやることがどこか独善的だったりして、一面的ではない善悪が描かれています。また、スパイダーマンは、よい父親(=トニー・スターク)と悪い父親(=ヴァルチャー)の間を揺れ動く子供として見ることもでき、彼が最後でなぜアベンジャーズ入りを断ったのか…など、見終わったあと、子どもと話せるテーマも豊富です。
個人的には、パーカーの無鉄砲さより、スタークに感情移入していしまい、自分の老いを実感しました。
以下、気になったところのメモです。少ないです。
<メモ>
(00:27) 女子生徒たちが「エッチする相手を選ぶんなら~」と、アベンジャーズを品定めするセリフがある。
(00:31) 陽キャの同級生にからかわれる「ペニス、パーカー!ペニス、パーカー!」
(00:38) コールアンドレスポンスで「ペニス、パーカー!」くどい。
(1:39) 友達がいいわけで「見てました、エロ動画」と言うセリフ。
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
期待値最大で続編へ
シリーズ第2作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』です。1984年公開。こちらもレーティングは「G(=鑑賞制限なし)」。
あらすじは→インドのある小さな村にたどり着いた考古学者のインディが、村から奪い去られた秘石「シヴァ・リンガ」を取り戻すために、仲間とともに恐ろしい邪教集団の宮殿に向かう…って感じです。
前回の『失われたアーク』がなんとか小学生でもいけそうな難易度だったので、続編にも期待はたかまります。大きく味が変わることはないでしょう。
父は、これ見るのは小学生以来。ほぼほぼ内容を忘却したピュアな状態で視聴開始……
…したんですけどね。
すげえこわかったよ!
なにこれ?こんなこわい話だったっけ?まじで?「子どもと見るのは全然まだむり!」というのがエンドロール後に即決で出した結論でした。
理由はいくつかあるんですが、大きくは、ファーストにくらべてグロ描写の味付けが格段に濃厚なっており、一部ゴア表現といってもいいレベルまでいっちゃってるなーと思ったから。しかもちょっと悪趣味なんですよね…。とりわけ60分過ぎにやってくる、悪役が生身の人間の心臓を素手で抜き取るシーンはかなりにショッキングです。怪しい儀式の雰囲気と相まって、半端ないまがまがしさでした。父個人としては、「子供のころこれを観てすごい怖かったかったなー」と記憶の蓋がひらいてしまいましたよね。当時ちょっとしたトラウマ体験になってたんですよねー、いままで忘れてたけど。
あとは、「猿の脳みそのシャーベット」やら「目玉のスープ」を食べるシーンとか、得体のしれない虫がウジャウジャいるなかに手を突っ込むシーンとか、全体的に悪趣味なテイストであふれていて、小学生と見るには高すぎるハードルを感じました。笑えればいいんでしょうけど、難しい。
子どものころ、インディが途中で洗脳されちゃうのが異様に怖かったのも思い出しました。それまで強いと信じ切っていっしょに旅をしているつもりだったヒーローが、魂を抜かれて悪側にかしずく姿は子供心にエグかった。思えばあれが人生初の「闇落ち」を見た瞬間でした…。
なんでも公開当時、あまりの残酷描写が問題になり、アメリカで「PG13」が制定されるきっかけになった作品だそうな。そりゃそうでしょうよ!え?でもなんで日本では「G」なんでしょうね?うーん。
ヒロインの問題
あと、子どもと見るにはおすすめできない理由として、女性キャラの扱いが微妙だな、っていうのもあるんですよね。開幕すぐ、インディがフォークで女をプスプスさしたり、毒を盛られて振り向きざまに女性をおもいっきりぶんなぐるシーンがあって(なにを言ってるかわからない?わたしだってわかりませんよ!)、それがちょっとギャグっぽく描かれてるのを見て、「あれ?」って思うわけです。それ面白いかい?そのトーン&マナーであと2時間いくのかい…?と、いきなり暗雲がたちこめます。そこへ、「金髪でバカな白人女」キャラのヒロインが、ステレオタイプに則ったギャグをこれでもかとたたきこんでくるんですが、すみません、まったく笑えなかったです…。象が臭いから香水をぶっかけるとか…。昔は笑えたんですかね?なんかヒロインなのに「モノ」っぽい扱いだなぁ、と思ってみてたら、ラストでインディに鞭で動物のように「捕獲」されて、本当に「モノ」扱いやないかい!と、ずっこけました。この感じは推奨したくないっす。当時の欧米から見た「ヤバいインド人」の描き方も、キン肉マンのカレクックに匹敵するくらいの無邪気なステレオタイプっぷりで、そこもなかなか厳しいです。80年代、約半世紀まえか…。
というわけで…
幾多のゲームでインスパイアされた有名なトロッコのシーンとか、橋を落とすシーンとか、エキサイティングなシーンは多くあるものの、心臓抜き取りシーンはトラウマ必至なので、小学生と見るのはまだやめておくことにしました。もうちょっと大きくなってから見ておくれ。以下、気になったシーンのメモです。
<メモ>※ネタばれあり
- (8:10 火のついたケバブ串が敵にぶっささる。変な気持ちになった。
- (9:40) 振り向きざまに売り子の女性をパンチ。いまだに意味がわからない。
- (11:00) グーニーズのデータ役が出てきて驚いた。データ!
- (11:30) 解毒剤を探してヒロインの胸をまさぐるシーン。気まずい以外のなんの効果があるのか。
- (36:32) 「赤くてグロいなにか」が備えてある石像をみつける。指?耳?肉?
- (43~47) 問題の「ゲテモノディナーシーン」。4分にわたり蛇、カブトムシ、目玉のスープ、猿の脳みそなど食す。インドのひと、おこると思うよ。
- (48:12) キスシーン。からの艶笑シーン。長い。話が停滞する。
- (55:23) 恒例の虫の大群シーン。本物使ってたんだってさ。
- (58:53) ヒロインが虫の中に手を突っ込むシーン。小学生男子の感性?
- (60:02) 心臓をえぐり出すシーン。トラウマ必至。この後ずっと鬱展開
- (60:14) きったないしゃれこうべの容器から、「悪魔の血」をむりやりを飲まされるインディ。闇落ち。データも捕まって坑道で児童労働に従事。耐えられない。ただの悪い夢。
- (60:36) トロッコシーン。面白いんだけど時すでに遅し。当方の心は擦り切れており、まったくのれない。
- (60:48) 悪玉がワニに食われる。遅すぎる死。いろいろ嘘くさいまま劇終。
『インディ・ジョーンズ レイダーズ/失われたアーク《聖櫃》』
とりあえず傑作を見てみた
まずは『インディ・ジョーンズ レイダース/失われた《聖櫃》』(1981)。いわずと知れた映画史に残る大傑作です。
第二次世界大戦前の1936年を舞台に、フォード演じる考古学者のインディアナ・ジョーンズが、神秘の力を宿すと伝わる「聖櫃」を巡りナチス・ドイツ軍との争奪戦を繰り広げる冒険活劇で、後に続く「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作目である。(wikipediaより)
初の「下読み」の結果は…
ただ、タンタンにも言えるんですが、時代背景とか説明が必要な部分はありますよね。エジプトだとかインドだとか、欧米人から見てエキゾチックなところへ行って「冒険」という名ののもとに、実態としては「盗掘」を行っているとも言えるわけで。ナチスに先んじて世界を救うためとはいえ、よその国でだいぶやりたい放題なので。
総じて、子どもと見ても楽しめる映画だと思います。が!…ラストの顔が溶けるやつとか、人によってはトラウマになりそうなシーンがいくつかあります。蛇がうじゃうじゃ出てきたり、串刺しになって死んだりとかもありまして…。日本中の小学生がほぼ履修済みと思われる「鬼滅の刃」にも残酷な描写たいがいありますけど、実写のものは迫力が違います。やっぱり中学生くらいからが適当なのかなー?そのあたりの、判断がわかれそうなシーンは以下にメモを貼っておきます。どの程度のものか事前にチェックするのもいいかもしれません。ラストの顔溶けは飛ばしてもいい気が。
〈メモ〉
- (5:44)トラップにはまって死んだ先達の探検家の死骸。それなりにグロし
- (9:19)うらぎった従者がトラップで串刺しになって死亡。やめてほしい
- (40:00) 三日月刀を振り回す悪役を銃で瞬殺する有名なシーン
- (60:02)ヒロインの着替えシーン。後ろ姿。ドレスを強要される。なにそれ?
- (60:15)しわしわに干からびた死体が大量に。お化け屋敷的
- (60:20)敵が飛行機のプロペラに巻き込まれて死亡。血しぶきだけで、瞬間は映らない。まきこまれそうでまきこまれない数秒は永遠に感じる
- (60:33) ベッドの上でキスシーン。「いつもおあずけになっちゃうのね」
- (60:47) ラスト。敵が聖櫃の炎(?)に焙られて肌がどろっどろに溶けます。クライマックスなんでだいぶグロいです。これはナシかな…
ちなみにアメリカでのレイティングは「PG」。日本では「G」になっています。