『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
期待値最大で続編へ
シリーズ第2作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』です。1984年公開。こちらもレーティングは「G(=鑑賞制限なし)」。
あらすじは→インドのある小さな村にたどり着いた考古学者のインディが、村から奪い去られた秘石「シヴァ・リンガ」を取り戻すために、仲間とともに恐ろしい邪教集団の宮殿に向かう…って感じです。
前回の『失われたアーク』がなんとか小学生でもいけそうな難易度だったので、続編にも期待はたかまります。大きく味が変わることはないでしょう。
父は、これ見るのは小学生以来。ほぼほぼ内容を忘却したピュアな状態で視聴開始……
…したんですけどね。
すげえこわかったよ!
なにこれ?こんなこわい話だったっけ?まじで?「子どもと見るのは全然まだむり!」というのがエンドロール後に即決で出した結論でした。
理由はいくつかあるんですが、大きくは、ファーストにくらべてグロ描写の味付けが格段に濃厚なっており、一部ゴア表現といってもいいレベルまでいっちゃってるなーと思ったから。しかもちょっと悪趣味なんですよね…。とりわけ60分過ぎにやってくる、悪役が生身の人間の心臓を素手で抜き取るシーンはかなりにショッキングです。怪しい儀式の雰囲気と相まって、半端ないまがまがしさでした。父個人としては、「子供のころこれを観てすごい怖かったかったなー」と記憶の蓋がひらいてしまいましたよね。当時ちょっとしたトラウマ体験になってたんですよねー、いままで忘れてたけど。
あとは、「猿の脳みそのシャーベット」やら「目玉のスープ」を食べるシーンとか、得体のしれない虫がウジャウジャいるなかに手を突っ込むシーンとか、全体的に悪趣味なテイストであふれていて、小学生と見るには高すぎるハードルを感じました。笑えればいいんでしょうけど、難しい。
子どものころ、インディが途中で洗脳されちゃうのが異様に怖かったのも思い出しました。それまで強いと信じ切っていっしょに旅をしているつもりだったヒーローが、魂を抜かれて悪側にかしずく姿は子供心にエグかった。思えばあれが人生初の「闇落ち」を見た瞬間でした…。
なんでも公開当時、あまりの残酷描写が問題になり、アメリカで「PG13」が制定されるきっかけになった作品だそうな。そりゃそうでしょうよ!え?でもなんで日本では「G」なんでしょうね?うーん。
ヒロインの問題
あと、子どもと見るにはおすすめできない理由として、女性キャラの扱いが微妙だな、っていうのもあるんですよね。開幕すぐ、インディがフォークで女をプスプスさしたり、毒を盛られて振り向きざまに女性をおもいっきりぶんなぐるシーンがあって(なにを言ってるかわからない?わたしだってわかりませんよ!)、それがちょっとギャグっぽく描かれてるのを見て、「あれ?」って思うわけです。それ面白いかい?そのトーン&マナーであと2時間いくのかい…?と、いきなり暗雲がたちこめます。そこへ、「金髪でバカな白人女」キャラのヒロインが、ステレオタイプに則ったギャグをこれでもかとたたきこんでくるんですが、すみません、まったく笑えなかったです…。象が臭いから香水をぶっかけるとか…。昔は笑えたんですかね?なんかヒロインなのに「モノ」っぽい扱いだなぁ、と思ってみてたら、ラストでインディに鞭で動物のように「捕獲」されて、本当に「モノ」扱いやないかい!と、ずっこけました。この感じは推奨したくないっす。当時の欧米から見た「ヤバいインド人」の描き方も、キン肉マンのカレクックに匹敵するくらいの無邪気なステレオタイプっぷりで、そこもなかなか厳しいです。80年代、約半世紀まえか…。
というわけで…
幾多のゲームでインスパイアされた有名なトロッコのシーンとか、橋を落とすシーンとか、エキサイティングなシーンは多くあるものの、心臓抜き取りシーンはトラウマ必至なので、小学生と見るのはまだやめておくことにしました。もうちょっと大きくなってから見ておくれ。以下、気になったシーンのメモです。
<メモ>※ネタばれあり
- (8:10 火のついたケバブ串が敵にぶっささる。変な気持ちになった。
- (9:40) 振り向きざまに売り子の女性をパンチ。いまだに意味がわからない。
- (11:00) グーニーズのデータ役が出てきて驚いた。データ!
- (11:30) 解毒剤を探してヒロインの胸をまさぐるシーン。気まずい以外のなんの効果があるのか。
- (36:32) 「赤くてグロいなにか」が備えてある石像をみつける。指?耳?肉?
- (43~47) 問題の「ゲテモノディナーシーン」。4分にわたり蛇、カブトムシ、目玉のスープ、猿の脳みそなど食す。インドのひと、おこると思うよ。
- (48:12) キスシーン。からの艶笑シーン。長い。話が停滞する。
- (55:23) 恒例の虫の大群シーン。本物使ってたんだってさ。
- (58:53) ヒロインが虫の中に手を突っ込むシーン。小学生男子の感性?
- (60:02) 心臓をえぐり出すシーン。トラウマ必至。この後ずっと鬱展開
- (60:14) きったないしゃれこうべの容器から、「悪魔の血」をむりやりを飲まされるインディ。闇落ち。データも捕まって坑道で児童労働に従事。耐えられない。ただの悪い夢。
- (60:36) トロッコシーン。面白いんだけど時すでに遅し。当方の心は擦り切れており、まったくのれない。
- (60:48) 悪玉がワニに食われる。遅すぎる死。いろいろ嘘くさいまま劇終。