子どもとみるアクション映画

『FORTNITE』好きの小学生息子氏と一緒に見られそうなアクション映画を探すblogです

『スピード』は子どもと見られるのか?

キアヌ・リーブス作品ということで…

いちおうこのブログは、『FORTNITE』が大好きな小学生の息子に、おすすめできる映画を探すという趣旨でやってるので、今回は、

 

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『FORTNITE』にスキンも出ている、

『ジョン・ウィック (吹替版)』

ジョン・ウィック (吹替版)

 

にしようと、思ったんですが、初めて見せるキアヌが『ジョン・ウィック』なのは間違っているんじゃないか、という不安が胸をよぎりました。いくら人気シリーズとはいえ、『ランボー』未見で『エクスペンダブルズ』とかないじゃないですか。『ダイ・ハード』未見で『16ブロック』とか。

というわけで、子どもの「ファースト・キアヌ・リーブス映画」として私が選んだのは、

スピード (字幕版)

 

 

1994年、ヤン・デ・ボン監督『スピード』です。ええ、ベタですよ。なにか問題でも?

 

炸裂する90年代テイスト

結論から言うと、『スピード』は子どもと見るにはとっても「困る」作品でした。「困る」というのは見るか見ないかの判断がすごく悩ましい、という意味で「困る」。

なんでかというと、映画自体はめちゃくちゃ面白いんです。アクションにつぐアクションで、ダレ場がいっさいなく、ストーリーもはっきりしてて子どもが途中で飽きる心配もない。むしろ絶対楽しめる。差別的な価値観とかもほとんどないです。

…なんですが、なんか、肝心なところで子供に説明するのがめんどくさい下ネタが入ってくるんですよね。「がまんできずに出しちまったのさ」とか。もっとあけすけに「さーて、帰ってセックスするか」とか。でまた、サンドラ・ブロックの最後のセリフがまあ、大人っぽい一言でですね…。こういうセリフ要る?って思ってしまうんですが、90年代ってこういうノリだったんですよね。下品なこととか、相手がちょっと引くようなことを唐突に言うのがかっこいい、みたいなね。こういうのがねえ、要所にきちっきちっと入ってくるのがねえ、悩ましいんですよね…。だって、気まずいじゃないですか。子供のころ、テレビでいきなり濃厚なラブシーンが始まって、家族の食卓が凍りつくことがありましたけど、あの体験から得られたものって特になにもないので、むざむざおなじ轍をふむこともなかろう、と思うのですよね。

 

でも作品は最高!

作品が面白くなければなにも悩まないんですが、作品自体は文句なしに最高です。意外と忘れがちですが、キアヌはフルタイムでバスに乗車してるわけではなく、序盤はビル、中盤がバス、終盤が地下鉄が舞台で、『ダイ・ハード』シリーズを圧縮したような豪華な構成になってます。また、いまほどCGが発達してないので「生身の人間が危ないことしてるのを安全な場所でハラハラしながら見守る」という、純粋なアクション映画の楽しみ方ができるのもいいところです。アクション映画でよくある「Aするか?Bするか?さあどっちをえらぶ?」みたいな二択でハラハラさせる展開が多く、子どもが好きなやつですよね、これ。

劇中、若々しいキアヌがやたら走るんですが、走ってるだけですげえかっこいです。

キアヌかバスが走って、展開が盛り上がってくると、「例の」テーマソングがしつこいくらい流れます。何度も何度も。でも…

これが懐かしすぎる!

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(※0:52あたり)

 

たしか、PRIDEの桜庭和志の入場曲はこれの小室哲哉リミックスだったな、とかプレイステーション1で出ていた『メタルギアソリッド』にそっくりの曲があったな、とか、40代おじさんの遠い青春時代がありありとよみがえります。

公開当時、これはデートで見に行く映画っていう感じで、田舎の高校生たちは『スピード』を見に行くという口実で、女の子を誘っていましたね。そしてG‐SHOCKを買っていましたよね。デカいやつを。なぜかみな、外履きにバッシュ(ハイカット)を履いていたあの時代です。このあと就職氷河期が待ってるとか、思いもしませんでしたよね!みんな元気かな!

 

さておき。『スピード』は、『踊る!大走査線』をはじめ、後の映画やゲームに大きな影響を与えた偉大な90年代映画の傑作です。間違いない。ただ、高校生くらいがデートで見る映画で、小学生にはまだ早いかな、という感じでした。

以下、メモです。ここにリストアップされたシーンを子供のとなりで見ていて動じることのない鋼の心をおもちのあなたなら、『スピード』は最良の映画となることでしょう!

 

〈メモ〉

(4:15)犯人にこめかみをドライバー?で突かれて殺される警備員。最初のかまし。残酷。あと、エレベーターから救出されるシーンでなぜかパンチラ…。
(17:53)「我慢できずに出したのさ」とか、「早漏」とかのジョーク。あと、ずっと「ファック」って言ってる。まじでずっと言ってる。
(26:30)バーで、いきなり「帰ってセックスでもするか」と言い出す。まあここのバーのシーンはとばしてもいいかも…。

(59:20)勝手にバスを降りようとした老婆が爆殺される。なにがどうなったのかくわしくはわからない。見てて「まあおまえはしょうがねえな」って思ってしまった自分にびっくりした。
(78:34)ピンチから生還したキアヌに乗客の一人が言う。「あんた馬鹿だが、あんたぶら下げてるタマはデカいや」。ほんとにアメリカ映画は「タマ」が好き。

(110:00)ラストシーン。キ「異常なな状況で結びついたカップルは長続きしない」サ「それじゃ、セックスで結ばれましょ」キスして終わる。…ええっ?あっけにとられているとハードロックがかかってすべてが無化される。